大内 仁守 先生 おおうち矯正歯科小児歯科クリニック・院長
講演・研修イベント
第3回 日本アライナー矯正歯科研究会
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【上下左右第一小臼歯抜歯を行ったAngle Class I 叢生症例】
A case report of Angle Class I crowding with 4 bicuspid extraction - 矯正治療におけるアライナーの歴史はまだ浅い。しかしながらその手法や材料の進化は日進月歩である。反面、新しい手法を取り入れる際には、まさに手探りで、何をどう始めたらよいか五里霧中の状態になることが多い。当医院におけるインビザライン治療もまさに試行錯誤の繰り返しである。インビザラインにはクリンチェックという今までの矯正治療にはなかったステップが必要になる。さらにAttachment(アタッチメント)というAuxiliary Device、アライナー特有の歯牙移動の特徴、歯牙移動のステップなど、ワイヤー矯正にはなかった概念や気をつけなければならないポイントがいくつもある。今回演者らはアライナー治療では困難とされる上下左右第一小臼歯抜歯症例を経験した。その際のクリンチェックの注意点、Dental VTOとクリンチェックの併用による治療目標の立案手法、アタッチメントの設置の工夫、患者への注意点などを織り交ぜながら、アライナー矯正の可能性について検討する。
・患者 33歳 女性
・Angle Class I Crowding
・治療期間3年3ヶ月
・アライナーステージ 56
・ミッドコースコレクション2回
- Alighner orthodontics, it originated the late 90s, having a relatively short history for the orthodontics. However, the evolution of technologies and materials are showed rapid advance. When we adopt new technique,
it is apt to become at a complete loss, as When, What, How, do we start. At my clinic, it is also repetition of the trial and error for alighner treatment.
The original new step “Clincheck” that there was not for conventional orthodontic treatment is necessary.
Furthermore, there are some points that we must pay attention and there are some new concept that there was not for wire treatment, characteristic of dental movement peculiar to an aligner, the deferent step of the dental movement.
In this presentation, we show a four bicusupids extraction case as to be difficulty by the aligner treatment.
We present about the matters that require attention of the Clincheck, drafting of the treatment objective with combination of Dental VTO and Clincheck, device of the setting of the attachment, matters that require
attention to a patient.
And then we examine possibility of the aligner treatment.
Age :33y 10m
gender: Female
Angle Class I Crowding
Treatment time:3y 3m
Alighner stage:56
第1回 日本アライナー矯正歯科研究会
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【インビザライン治療における臨床と実践】
The Clinical Practice of Invisalign - E.H.Angleにより現代矯正歯科学が体系づけられてから100年あまり、矯正歯科には様々なイノベーションが起こってきた。アライナー矯正もそのひとつである。
今回は筆者が経験したアライナー矯正症例3例をご供覧いただき、これからのアライナー矯正の可能性について皆様と考えてみたい。
第一症例は重度の歯周疾患を有する、42歳の女性である。多数歯に渡り垂直的な骨吸収を認め、Hopelessで抜歯を余儀なくされた歯もある。歯周治療と平行して歯列矯正の依頼を受けたが、従来のワイヤーを長期間装着する治療は躊躇された。このためアライナーにて矯正を行い安定した結果を得た症例である。
第二症例は審美的理由からアライナー矯正を選択されたが、治療中リアクションが生じたため、補完的にワイヤー矯正を併用し良好な咬合を獲得した症例である。
第三症例は、初診時より治療途中で転居されることが決まっており、トランスファーを検討したが、アライナー矯正により遠隔治療を行い、現在も治療を続けている症例である。
今後、患者の矯正治療に対するニーズは、ますます高まり且つ多様化して行くものと予想される。その中で治療の引出しのひとつにアライナー矯正を備えておく事は有用であると思われる。
来歴
1991年 | 東京歯科大学卒業 歯科矯正学講座入局 |
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1993年 | 東京歯科大学 千葉病院助手 |
1994年 | 東京歯科大学 歯科矯正学修了 東京歯科大学水道橋病院勤務 |
1999年 | 日本矯正歯科学会認定医 |
2000年 | 西東京市 おおうち矯正歯科小児歯科クリニック開設 |
2001年 | 米国アングル矯正歯科学会会員 |
2011年 | 日本矯正歯科学会専門医 |
2013年 | ボストン大学歯科矯正学 スペシャルレジデントプログラム修了 |
おおうち矯正歯科小児歯科クリニック(http://www.ouchi-dental.com)
(2014年12月日本アライナー矯正歯科研究会)