河村 純 先生 愛知学院大学
講演・研修イベント
第3回 日本アライナー矯正歯科研究会
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アライナー矯正を用いた歯の移動における基礎的背景 ―組織学的ならびに有限要素法による検討―
Basic Research Background of Tooth Movement Examined by Aligner Orthodontics -Studies of Histological and Finite Element Simulation- - 矯正歯科治療において、歯にメカニカルストレスを負荷することで歯周組織は牽引側骨表面に骨芽細胞、圧迫側骨表面に破骨細胞が出現し、骨の吸収、添加が起こることは周知の事実である。歯科矯正の分野では古くから歯の移動のメカニズムを解明するために、再現性のある実験を行うために小動物を用いた実験が行われてきた。われわれはラットやマウスを用い実験的に臼歯間にゴム挿入を行うWaldo法を適応し経時的に観察を行った。歯根膜組織に持続的なメカニカルストレスを加えることで歯は移動し活発な復元能力を持って歯周組織は骨改造する。これらの過程について免疫組織学的検討を行った。
近年臨床的にはアライナーによる歯の移動が行われてきている。しかしながら、アライナー矯正による歯の移動メカニズムについては不明な点が多い。そこでアライナー矯正における歯の移動パターンを明らかにするために有限要素法によるシミュレーションを行った。これにより暫定的な結果ではあるが、アライナー矯正による歯の移動が確認された。移動様式に置いて歯軸に沿った回転は可能となり、歯体移動においては根尖の移動は困難で、圧下は可能となるが挺出はほとんど出来なかった。
このように有限要素法を用いることでアライナーによる歯の移動を確認することができた。アライナー矯正による歯周組織の骨改造過程について細胞組織学的並びに有限要素法を用いて更に研究を重ねていきたい。
本発表は松本歯科大学、愛知学院大学、名古屋工業大学にて行った研究成果の一部を供覧する。
2008年 愛知学院大学歯学部卒業
2013年 日本歯科理工学会論文賞受賞
「矯正用チタンモリブデン合金製牽引スプリングにおける曲げ角度の効果」
2014年 博士(歯学)(愛知学院大学, 歯甲第673号)
「有限要素シミュレーションによる歯科矯正移動の力学的評価」
2014年 愛知学院大学歯学部 非常勤助教 / 河村歯科医院 副院長
2014年 日本成人矯正歯科学会 認定医研修プログラム修了
2016年 日本成人矯正歯科学会発表優秀賞受賞