イベントレポート

2023年10月06日アライナーフェスティバル(第9回日本国際歯科大会)

『アライナーフェスティバル』に300名を超える先生方にご参加いただきました。

 

2023年9月29日(金)〜10月1日(日)まで、5年ぶりに第9回日本国際歯科大会が開催されました。過去最高の6万人を超える参加者で開催されたこの大会は、歯科全般のトピック講演が一同に開催され、ワールドデンタルショーを併設しています。

コロナ禍で開催が延期となっておりましたが、今年はいよいよ開催されるとのことで、多くの先生方が楽しみにされていたことと思います。

 

今回、ご縁があり、「日本アライナー矯正歯科研究会 JAAO にて1枠を主催しないか?」というご依頼をいただき、9月29日(金)にアライナートピックに関するセッションを担当させていただきました。JAAO 会員の先生方はもちろん、普段アライナーに触れる機会がない先生方、スタッフさんにとってもアライナー矯正を身近に感じていただきたいという思いから、「アライナーフェスティバル」というテーマ(?)タイトルにて、準備を進めて参りました。

 

歴史ある日本国際歯科大会の中でも(4年に一度の開催!)アライナートピックでセッションを開催するのは初めてとのことで、パシフィコ横浜はかねてから大変大きな会場だと知っておりましたので、このような機会をいただき大変光栄でした。

 

「アライナーフェスティバル」のプログラムは、まず大会長の尾島 賢治先生からスタートいたしました。今回、国内だけはなく、国外からも著名の先生方が講演のためにお越しいただいており、その中でも我々のアライナー矯正治療/矯正歯科治療の師匠ともいえる3名の先生方がご参加いただいておりました。

まず、アメリカ コネチカット大学の名誉教授である Ravindra Nanda 先生からのご挨拶です。Nanda 先生は現在でも世界中でご講演されており、論文も数多く出されていますので、矯正歯科界では知らない先生はいないくらいのレジェンドの先生です。

 

そして尾島先生がドイツに何回も通って勉強させていただいた Werner Schupp 先生はドイツからお越しいただきました。シュープ先生は、クインテッセンス出版から出版されているアライナー矯正治療の専門誌「Journal of Aligner Orthodontics (JAO)」のインターナショナルの総編集長です。正しいアライナー矯正治療を学術的にこれからの時代の先生方にも学んでいただきたいという想いでいちはやくJAO 誌の立ち上げに携わり、尽力されていらっしゃいます。また最近では顎位の診断をよりデジタルに詳細に診断する方法を取り入れられており、本が出版されたばかりです。それから国内では知らない矯正歯科の先生はいない位有名な菅原 準二先生も、クリニックのスタッフさん総出でご参加いただきました。菅原先生も現在は可能な限り患者様が望まれる場合はアライナー矯正を取り入れており、ワイヤー矯正からシフトされているとのことです。こちらの先生方がご参加下さるなんてなんて光栄なことだったでしょうか。本来であれば先生方のご講演を拝聴したいくらいでした。2日目、3日目のご講演を楽しみにしておりました。

 

韓国からは、シェイプメモリーアライナーの開発を担当されている Garphy 社のMr. Sim Unseob もご参加いただきました。シェイプメモリーアライナーは、現在世界的に注目されている新しいアライナー用のレジン材料です。今後、日本アライナー矯正歯科研究会では、インビザラインやクリアコレクト、シュアスマイルの他にも、先生方の医院で内製化されるインハウスアライナーについても勉強を行ってまいります。視野を広く持って、より良いアライナー矯正治療を患者様へご提供できるようにしていきたいと考えています。

 

さて、尾島先生からは、アライナー矯正治療の歴史について、そして様々な世代、アライナー矯正の種類についてご講演いただきました。アライナー矯正は長い矯正治療の歴史の中ではまだ新しい治療方法ではありますが、デジタル分野を取り入れることで、まだまだ進化し続けている分野でもあります。

材料や方法がアップデートされているため、先生方によって取り扱っているものが異なって来ているので現状ですので、まずは世代分けについてのお話をさせていただきました。

 

次のセッションでは、「アライナー矯正治療を支える5つの最新機器」というセッションにて、5社の協賛企業様からの最新情報や尾島先生の見解についてを聞くセッションとなりました。

 

・Ray face は、今アライナー矯正でも注目の 3Dフェイシャルスキャンを販売している会社です。3Dフェイシャルスキャンは、今後矯正治療の診断や精度レベルをあげるためには必須になってくると考えられています。今まで3Dフェイシャルスキャンは、撮影時間が長かったり、手間が多かったり、それでも画質が低かったり、、ということがありましたが、Ray face の撮影は1秒程度で精度の高い撮影ができ、院内に置いてもおしゃれな機器のため、今後ますます導入される医院が多くなるのではないでしょうか。

・Nemo は、アライナー矯正治療のための分析、診断ソフトです。口腔内スキャンデータ(STL)とCT(DICOM)、顔写真を結合して分析を行うことができるソフトです。尾島先生の医院ですでに使用されているこのソフトを、今回初めて見た先生もいらっしゃったようです。インビザライン矯正治療のための診断にも有効であり、今までのアライナー矯正治療の予測実現性を高めるために役立てることができるという内容でした。

・コアフロント様は、3Dプリンターを取り扱っている会社です。矯正治療の分野では、3Dプリンターはなくてはならない機器の一つとなってきています。まだまだ進化する可能性があり、大変楽しみです。コアフロント様では、様々な3Dプリンターに大変詳しく、専門とされているため、初めて導入される先生方にとってもサポートがしっかりしてくださいます。

・デンタルモニタリング様からは、アライナー矯正治療でも有効なリモート診療をサポートするデンタルモニタリングを取り扱っています。以前のデンタルモニタリングからアップデートされて、新しくなったデンタルモニタリングでは、撮影の精度も上がり撮影方法も患者様にとって楽しくゲームのように撮影できるので、お子さんから大人の方まで使っていただけると考えています。遠方でなかなか御来院できない方や、細かくチェックを受けたい方にとってはとっても良いツールですね。さらに今後のアップデートが楽しみです。

・振動系フィッティング装置 VPro5を取り扱うデンツプライシロナさんが考える、アライナー矯正治療の精度をあげるフィッティングについてもお話がありました。アライナー矯正治療では、アライナーのフィッティングは治療精度の鍵になりますので、それをサポートしてくれるVPro5は、活用方法によっては、アライナー矯正治療をサポートしてくれると思います。

 

今回は、5社の企業様からのアライナー矯正治療をサポートするそれぞれのツールについてお話を伺いました。

 

次のセッションでは、「アライナー矯正治療 x デジタルプランニング」というセッションにて、4名の先生にご登壇いただきました。

◼️亀井先生「院内製造によるガイドを用い口蓋にTADs植立を行った遠心移動症例の経過報告」◼️松岡るみ先生「女性の働き方にも有益〜Nemoを活用した当院におけるアライナー矯正治療の取り組み〜」◼️熊谷友理子先生「インハウスアライナー矯正治療とデリバリーアライナー矯正治療でクリニックの何が変わるのか?」◼️檀知里先生「小臼歯抜歯症例における臼歯開咬のリカバリーテクニック〜インハウスアライナーとデリバリーアライナーのマネージメント〜」という内容でお話いただきました。アライナー矯正治療に必要なデジタルプランニングに、先生方はNemoを活用し、安全で予測実現性の高い治療方法を行っていることがわかりました。

次のセッションでは「アライナー矯正 x インターディシプリナリー」というセッションにて5名の先生方にお話いただきました。

◼️工藤 求先生「Perio-ortho with aligner」 ◼️髙木 啓二先生「デジタルシミュレーションソフトを用いてマルチディシプリナリー治療を行った一症例」 ◼️中矢 賢史先生「患者さんを幸せにするNemoCastを活用したインハウスマウスピース矯正治療」◼️清水 義夫先生「顎位から考える矯正歯科治療 ~私の矯正歯科臨床20年で変わったモノ・変わらないモノ~」 ◼️山口 將日先生「アライナーと顎関節症や補綴・歯周治療を組み合わせたデジタルワークフロー」アライナー矯正と歯周治療、アライナー矯正治療とインプラント、アライナー矯正治療と補綴(被せ物)など、歯科の治療は単体では考えられないことがほとんどです。日本アライナー矯正歯科研究会でも今後は矯正治療とインターディシプリナリー治療の連携について、多分野の先生方の講演なども組み込んでいきたいと考えております。大変レベルの高い最新治療についてご講演いただきありがとうございました。

 

休憩時間は、時間が足りないほど、先生同士の久しぶりの再開や、企業ブースでの体験会など、先生方には充実した時間を過ごしていただけたと思います。いやいや、時間が足りないほどでしたね!!

 

最後のセッションでは、Aligner Radio でご活躍されている南舘先生をお招きして、尾島先生とクリンチェックについての対談セッションを行いました。

ここでは、あらかじめ集めたクリンチェックに関するご質問を元に、対談をさせていただき「もっと聞きたい!」というお声もありました。

 

今回は、300名を超える先生方、スタッフさんにご参加いただき、日本国際歯科大会の初日を終えることができました。アライナー矯正治療に触れたことのない先生方にとっても、すでに行っている先生方にとっても、一つでも発見や学びがあれば嬉しいです。

 

クインテッセンスの山形さん、またご講演いただいた先生方、ご協賛いただいた各企業様、ご参加いただいた全ての方、ありがとうございました。

 

次回は第10回日本アライナー矯正歯科研究会、3年ぶりの会場開催ですので、ぜひ!ご参加ください。

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アライナー矯正歯科医のための研究会「日本アライナー矯正歯科研究会」は、多くの患者様のニーズに合わせた治療を提供するため、アライナーの種類の垣根を超えたアライナー矯正治療について知識を共有し、深めるための研究会です。
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