イベントレポート

2023年12月09日第10回日本アライナー矯正歯科研究会

第10回日本アライナー矯正歯科研究会を2023年12月2日〜3日に東京ポートシティ竹芝ホールにて開催致しました。今回はその内容をお伝え致します。

今回のテーマは「アライナー矯正 原点にして頂点」大会長は尾島賢治先生(スマイルイノベーション矯正歯科)にて行われました。

日本アライナー矯正歯科研究会は、大会長の尾島先生が2014年立ち上げ、同年12月に第1回日本アライナー矯正歯科研究会 総会を東京大学伊藤謝恩ホール(東京都文京区本郷)にて開催しました。初回から200名を超えて参加者が集う、歯科医師のためのアライナー矯正治療を学ぶ研究会です。第1回は国内ドクターを講演者として開催されましたが、第2回からは毎年海外スピーカーを招待して幅広く最新トピックを取り入れ学術的にも日本のアライナー矯正治療の一端を担ってきました。

2020年から3年間、コロナパンデミックによりオンライン開催をさせていただきましたが、今年2023年はいよいよ会場開催をさせていただくことになりました。今回は全部で19名の講演者による、全21トピックが予定されました。

特に、日本アライナー矯正歯科研究会の特徴は、国内講演者だけではなく、世界的にアライナー矯正治療の分野で著名かつ最先端の治療に取り組まれている臨床歯科医による講演を、英語、日本語同時通訳で学ぶことができる点です。

今回、海外の講演者は事前録画によるビデオ講演とさせていただきました。スケジュールなどで来日できず、講演を聞くことができない、のではなく、事前録画をしていただくことで、今、まさに学びたい先生方の講演を学ぶことができます。

インビザラインシステムのご経験が多い Dr. Yau Yi Kwong「Use of vertical elastic in extraction treatment with aligner」、Dr. Narandr Chevangkul「Stratyfic Framework for Extraction Success」は抜歯症例におけるインビザライン矯正の戦略について、ご経験豊富な臨床トピックをご講演いただきました。すぐにでも使ってみたいトピックがたくさんありました。

アライナー矯正治療の欠かせない補助装置について Dr. Benedict Wilmes「Optimal aligner & TAD combination mechanics, sliding or screw activated mechanics?」, Dr. Ramón Mompell「Mid-facial Skeletal Expansion combined with posterior dental intrusion for transverse, vertical and sagital skeletal correction. Guided by Smile Digital Design」 ベネフィットの開発者でもあるDr. Benedict は世界的にも人気の講演者のお一人で、この日本アライナー矯正歯科研究会でも2回目のご講演です。口蓋アンカレッジのシステムは、特に非抜歯矯正の大臼歯のコントロールを効率をあげて行うためのテクニックとして矯正歯科の先生方にも注目の内容です。 Dr.Ramon のMSEのトピックもまた、臨床の幅が広がる内容として大変勉強になる内容です。デジタルを活用することで、より精度高く安全な治療が実現できるようになりました。この2つのシステムは、アライナー矯正との併用も有効で、とても親和性のあるシステムです。

加速矯正治療のトピックは Dr. Peter Brawn「How to get better results in less time with aligners: my approach」 光加速矯正 OrthoPulse の開発者でもあるDr. Peter のアライナー矯正と加速矯正の戦略についてお話いただきました。全てではなくても、加速矯正を望んでいる患者様はいらっしゃいますので、このトピックを知っていればお役に立てる患者様もいらっしゃると思います。

2日目の海外講演者からは、特にインハウスシステムのトピックが多くありました。Dr.Ki Beom Kim「New paradigm of Clear Aligner Therapy」国内で初めてご講演いただく Dr. Ki Beom はアメリカセントルイス大学にてシェイプメモリーアライナーをいち早く臨床研究し数多くの臨床経験があります。Dr.Bjorn Ludwig「Hybrid treatments with in-office direct printed aligners – DPA-」もまた、3Dプリンターによるダイレクトプリントアライナー、シェイプメモリーアライナーの臨床経験を多くもっており、今回は自身の経験からそのプロセスや注意事項、症例について詳しくご講演いただきました。Prof.Ravi Nanda「After Change “How to do it style” Before “I can do this style”」は、日本アライナー矯正歯科研究会を大変気にかけてくださっており、日本の先生方へのメッセージ性の強い内容でした。長い臨床経験、矯正歯科界の第一線でご活躍されているNanda 先生の言葉は、これからアライナー矯正に取り組み続ける我々にとって大変力強いものでした。

国内からご講演いただいたのは、インビザラインファカルティの長尾龍典先生「デジタル矯正診断の現在、そして未来 〜スマイルアーキテクトがもたらすもの〜」、デンツプライシロナのシュアスマイルシステムを使っている三林栄吾先生「SureSmileシステムを利用したアライナー矯正治療の実践とデジタル矯正診断」、林一夫先生「最新の suresmile アライナーを用いた矯正治療」、補綴xインハウスアライナーの分野からは町田真吾先生「補綴治療におけるアライナー矯正の戦略」、猪狩寛晶先生「GPによるインハウスアライナーの活用」、山崎 長郎先生「アライナー矯正治療とインターディシプリナリー」SJCDの山崎 長郎先生は長い臨床のご経験があるにも関わらず、新しいアライナー矯正の分野に大変ご興味を持っており、すでにシェイプメモリーアライナーと補綴のインターディシプリナリー症例をご経験され、今回初めてお話いただいた。Nemo ソフトによる口腔内スキャンSTLデータとCT(DICOM)データ、Facial scan を重ね合わせて分析することの重要性や今後の展望についてご講演いただきました。(山崎 長郎先生はビデオ講演をしていただきました)

中国からMSEのトピックで趙建鑫先生「サージカルアシストを用いたMSEアプローチ」をお招きした。大会長の尾島賢治先生からは3トピック、今回のテーマでもある内容でそれぞれ講演していただいた。

尾島賢治先生「インビザライン 抜歯症例のリカバリーテクニック」「インハウスアライナー矯正治療を成功するためのステージング」渡辺仁資先生「大臼歯遠心移動の効率を上げるテクニック」口蓋ベネフィットシステムによる大臼歯の遠心移動のメカニクスと、インハウスシステムによる口蓋アンカレッジシステムについて講演されました。檀 知里先生「インハウスシステムによるスプリントとアライナーを用いたCMD患者のための矯正治療」矯正治療前の機能分析とスプリント治療、インハウスシステムによるスプリント製作とインハウスシステムのアライナーのメリットについて講演されました。熊谷 友理子先生「混合歯列期のインハウスアライナーの有用性」混合歯列期のアライナー矯正治療で起こり得るリスクとその対策、CADを使ったエラプションポンティックの有用性について講演された。

アライナー矯正治療はデジタル化が進み、ソフトの進化、アライナー素材の進化、3Dプリンターの進化など、これからも尚進化する可能性があります。海外ではインハウスシステムによるアライナー矯正のトピックが注目されており、日本アライナー矯正歯科研究会も、従来の企業依頼型システムによるアライナー矯正治療を学びつつ、新たなフィールドを目指し、先生方に新しい学びをご提供できるようにトピックを揃えてまいります。 

今回の内容は、事前お申し込みいただいている先生方にはオンデマンド配信を予定しており、日本語で復習していただけます。
今後の先生方の臨床にお役立ちできれば幸いです。

来年、日本アライナー矯正歯科研究会の総会は 2024年9月7日(土)〜8日(日)に開催予定です。

 

日本アライナー矯正歯科研究会へのお問合せはこちら

アライナー矯正歯科医のための研究会「日本アライナー矯正歯科研究会」は、多くの患者様のニーズに合わせた治療を提供するため、アライナーの種類の垣根を超えたアライナー矯正治療について知識を共有し、深めるための研究会です。
メールにてお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

  • TOP
  • TOP
  • TOP
  • TOP
  • TOP
  • TOP

  • TOP
  • TOP
  • TOP
  • TOP
  • TOP
  • TOP
  • TOP
  • TOP
  • TOP
  • TOP
  • TOP
  • TOP