「アライナー矯正歯科研究会」3つの理念
- アライナー型矯正装置の学術的な知識・治療技術の向上
- 情報の共有、交流、発表。批判する場ではなく、様々なアプライアンスの良さを共有。
- 日本(JAAO)だけではなく欧米やアジアのアライナー矯正歯科学会・研究会との連携
ドイツ アライナー矯正歯科学会(DGAO)は日本より6年早く設立されました。そこは批判や否定を行う場ではなく治療技術を高め、情報共有、交流の場でありました。私達の日本でもそのような、アライナー矯正治療において治療技術を高め、情報の共有できる場としての研究会を立ち上げたい想いから2014年12月に第1回の日本アライナー矯正歯科研究会を設立いたしました。
日本アライナー矯正歯科研究会 大会長のメッセージ
Message from President of JAAO ~ Dr. Kenji Ojima ~
かつて、「アライナー矯正治療ではあなたの歯は治せません」と言われていた患者様が多くいました。しかし、現在では、抜歯症例においてもアライナー矯正治療で治療できるというのが認知され始めてきたと感じます。日本アライナー矯正歯科研究会は今年で第10回を迎え、延べ110名のスピーカー、200演題を行なって参りました。
これらすべての先生方が関わってきた知見、知識によって今年の日本アライナーではすべてのスピーカーが抜歯のテーマで講演をするという会を催すことができるようになりました。
それは間違いなく多くの先生方の知見が集まり達成されたもので、一人のドクターだけでできるものではありません。今回は総勢16人の先生の様々なアプローチを見ることができるので、新たなマイルストーンにしていただいて次からのアライナー矯正治療の臨床に生かしていただきたいと考えています。一人のドクターの考え方しか見ないと、立方体でいうと一面しか見ないことになります。俯瞰してみるとことが出来れば他の5面を見ることができます。アライナー矯正治療のメリットは「取り外しできる」「目立たない」という一面だけでなく、他の面からも考えて携わることでより良い治療につながります。木を見て森を見ず “You cannot see the wood for the trees.“という言葉がありますが、矯正治療という観点からだけでなく、歯科、全身、そして患者様のバックグラウンドにまで目を向けて見てみることで、よりアライナー矯正治療の利点がわかるのではないかと思います。
なぜデジタルだといいのか、コンピューターを使えばいいのか、それだけではありません。なぜスキャナーがいいのか。またデジタルだけが優位ではない部分もあります。デジタルの限界を知るためにはアナログ的なキャリアだったり、患者さんは機械ではないので、筋肉、骨など多面的に見なければなりません。それを今回16名の先生方が様々な切り口で抜歯治療に関してお話していただけることを大変感謝いたします。
2019.12
日本アライナー矯正歯科研究会 大会長
尾島 賢治
日本アライナー矯正歯科研究会 設立に向けて
Message from President of JAAO ~ Dr. Kenji Ojima ~
私が初めてアライナー矯正に特化した学会に出席したのは2012年のドイツアライナー矯正歯科学会(DGAO)です。2年に1回開催されるこの学会で、2014年に600名の先生方が集まる第3回ドイツアライナー矯正歯科学会にてインビザラインの講演をさせていただきました。その後も、2015年7月に、第一回台湾アライナー矯正歯科協会(TAAO)、9月にスイスのチューリッヒ大学にて第一回スイスアライナー矯正歯科研究会(SGAO)での講演依頼をいただき講演を行いました。来年2016年2月には、第一回ヨーロッパアライナー矯正歯科会(EAS)でもご講演の機会をいただいております。
アメリカ矯正歯科学会やドイツアライナー矯正歯科学会などで当たり前のように目の当たりにでき、そして学べる環境と比較し、日本でも情報の共有、そして治療の向上ができる場があればという想いからこの研究会を立ち上げようと考え、第一回日本アライナー矯正歯科研究会では200名、第二回日本アライナー矯正歯科研究会では270名の先生方にお集まりいただきました。この研究会の後、私は日本のドクターの「アライナー矯正」に向ける関心は決して低くないと実感いたしました。私の師匠であるDr. Schuppが2015年9月、スペインのバルセロナで開催されたインビザライン・ヨーロッパサミットで、御講演されました。御講演の内容は「Everything is possible based on good planning」でした。どのような治療でも、間違った診断、治療計画、治療方法によりその力を発揮できないことがあります。アライナー矯正は世界中で様々な研究が進められ、各企業が新しいタイプのアライナー矯正システムを発表しています。患者のニーズも高くなっています。アライナー矯正装置、システムも日々進化しています。その進化のスピードに負けないよう、私たちドクター側も、アライナー矯正治療に関する情報をアップデートしていく必要があります。
私は、日本アライナー矯正歯科研究会が、これら世界のアライナー矯正歯科学会の中でも特にinnovation している研究会になるように考えています。
今までは、アライナー矯正の可能性や、適応範囲のみにフォーカスされた内容の講演が多い中で、私たちJAAOが目指すのは、メイントピックとしてアライナー矯正における新たなる可能性、革新的アプローチです。また世界でもアライナー矯正で著名な先生をお招きして、高いレベルのアライナー矯正治療を学べる環境を築いていきたいと考えております。
日本アライナー矯正歯科研究会
尾島 賢治
2015年 第一回 台湾アライナー矯正歯科学会(台北)
Report 1st TAAO in Taipei (2015)
2015年7月、第一回台湾アライナー矯正歯科学会(TAAO)が台北で開催されました。
台湾でも近年アライナー矯正が注目され、インビザライン以外にも、アライナーシステムの開発、クリニックでの導入が進められています。参加者は台湾、日本、香港、オーストラリアから、約250名の先生方が集まり、日本からも10名の先生が参加いたしました。
日本アライナー矯正歯科研究会の代表である尾島先生もインビザラインによる抜歯症例についての8つのStrategy を講演し、日本と台湾の架け橋を務められました。国境を越えて、より良い治療を患者様にご提供するために集まることができ、アライナー矯正の可能性が感じられる学会でした。
学会レポートは「TAAO report 2015」 から
2014年 第一回 日本アライナー矯正歯科研究会(東京)
Report of 1st JAAO (2014)
第1回日本アライナー矯正歯科研究会(JAAO)が2014年12月4日 東京大学 伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホールにて開催されました。
国内外から約200名の先生のご参加をいただき、11名のスピーカーによるアライナー矯正治療の様々な可能性についての講演と意見交換が行われました。今回のJAAOは6年前より開催されているドイツ アライナー矯正歯科学会(DGAO)を参考に企画されました。第1回JAAOの大会長である尾島先生は2014年のDGAOでインビザラインの講演をドイツで行った後、DGAOとJAAOが共に連携をとって今後より高い情報交換や交流を行うためDGAOでのAsian ChapterのPresidentに就任する依頼を頂いています。また今回ののJAAOには台湾アライナー矯正歯科協会(TAAO)の理事長を含め約10名の台湾の矯正歯科医も出席頂きました。
2015年7月に開催予定の第1回台湾アライナー矯正歯科協会の大会に尾島先生の講演依頼を理事長であるDr.Rupertから頂きました。今後JAAOはドイツのDGAOや台湾のTAAOとも連携をとりながらより高いアライナー矯正治療の講演発表や情報交換、ドクター同士の交流を行っていきます。
2014年 第三回 ドイツアライナー矯正歯科学会(ケルン)
Report of 3rd DGAO (2014)
2014年、ドイツで開催された第三回アライナー矯正歯科学会では、日本人で初めて本郷さくら矯正歯科の尾島先生がインビザラインの講演を行いました。 約600名の矯正歯科医師が集まった第三回のこの講演では、インビザラインだけでなく、様々なアライナー矯正を行う、それぞれ世界で著名なドクターが講演を行っていました。日本からは、8名の先生が出席いたしました。
ヨーロッパにおいても、「アライナー矯正」に関する矯正歯科医師の関心は、年々増しているとのことでした。トピックも増え、勢いを感じます。
尾島先生の講演後に、ドイツアライナー矯正歯科学会のAsian Chapter President になってほしいとの依頼をいただきました。今後、日本アライナー矯正歯科研究会が世界のアライナー学会と連携をとり、講演者の招聘や発表、またより多くの情報共有とrelationship を築いていく第一歩になりました。
2012年 第二回 ドイツアライナー矯正歯科学会(ケルン)
Report of 2nd DGAO (2012)
2012年、ドイツで開催された第二回ドイツ アライナー矯正歯科学会に日本人として初めて参加いたしました。 様々なアライナー矯正を行う、それぞれ世界でご活躍しているドクターが集まり、各アライナー矯正に関する講演を行うというものでした。 日本では、「アライナー矯正」に関する認識はほんの一部にすぎないと感じました。 この学会に感銘を受けて、講演から2年を経て、日本でもアライナー矯正研究会の立ち上げを決意いたしました。